今回は牛肉の低温ロティをご紹介します!!(2019/12/9大幅編集)
牛肉のロティなので簡単に言えばローストビーフです。普通のロティ(ロースト)よりも少し手間はかかりますが、格段に美味しくなるので本当にオススメです!!
牛肉の部位は肩ロースやもも、ランプなどの赤身肉を使います。
また、塊肉を使いますが大事なのは大きさではなく厚さです!ステーキのように「大きさはあるけど薄いお肉」ではなく、厚みのあるお肉を選びましょう!
低温ロティとは…?
まず今回取る低温ロティという手法の説明をします。
ロティというのは起源は色々とありますが、現代ではオーブンで火を入れる調理法をフランス語でロティ、英語ではローストと呼びます。
今回の工程としては230℃のオーブンで加熱→休ませるというのを何回も繰り返して火を入れていきます。
230℃のオーブンって高温じゃないの?と思われるかもしれませんが、今回の加熱のメインはオーブンによる加熱ではなく、休ませることによる余熱での火入れがメインとなります。
オーブンの温度も低いとなかなか余熱が力を発揮してくれないため、オーブンの温度は高めに、そしてその余熱を使ってじんわりと火を入れていくというやり方が低温ロティなのです。
低温ロティは普通のロティとは違ってお肉になるべくストレスを与えないようにじっくりと火を通すことで、お肉のタンパク質が急激に変化しないようにし、それに伴う肉汁の流出を防いでジューシーな食感になります。
つまり、簡単に言うと低温ロティだとお肉が柔らかくしっとりとジューシーに仕上がるのです!
作り方
まずお肉についているスジを丁寧に取り除きます。線のように入っている白い部分がスジですので、ナイフでなるべく赤身を切り取らないように取り除きます(難しいですが…)。
スジ肉はローストしただけだと硬くて食べづらいので、スジを取り除くこのひと手間がお肉を美味しくします!
乾燥しないように肉の表面にハケでオリーブオイルを塗り、1〜2時間ほど置いておき常温に戻します。
フレンチでは常温に戻すことを「シャンブレ」と言いますが、お肉が冷えていると加熱した時にきちんと火が入らずムラのある火入れになってしまいます。
↑オーブン1回目(ほとんど火は通っていない)
きちんと常温に戻ったら、ここからローストしていきます。
230℃のオーブンで、2分加熱→2分休ませる、という工程を7〜10回ほど繰り返します。
回数は目安として7〜10回としていますが、肉の質や厚さによって火の通り具合が違うので、自分でしっかり確かめながらやりましょう!
休ませることはフランス料理では「ルポゼ」と呼び、休ませることで余熱でじんわりと火を入れることで肉にストレスを与えずに仕上げることができます。
ルポゼはオーブンの近くなどの気温の高いところで行うのがオススメですが、アルミホイルで包んで休ませても構いません。
↑オーブン&ルポゼ7回目(ちょうどいい)
途中ひっくり返しながら加熱とルポゼを繰り返していき、その都度肉の火入れ加減を確認します。
金串を肉の中心まで刺し、10秒ほど刺したら抜いて下唇の下に当て、ほんのり温かいと感じればちょうどいい火入れ具合です。
もし金串が温かくなければ温かくなるまで再び加熱とルポゼを繰り返します(今回は7回繰り返しました)。
もし火が入りすぎてしまったらもう取り返しはつかないので、慎重に行いましょう!
最後に強火のフライパンで表面にビシッと焼き色をつけて、5分ほどルポゼしておきます。
熱々のうちに切ると肉汁が流れ出てしまうので、少し寝かせて肉汁が落ち着いてから切ると旨味が流出せずに美味しく食べられます!
お肉をカットすると断面はこんな感じにキレイなロゼ色に仕上がっています!
もし切った瞬間に断面が白っぽくても、少し時間が経てば発色して綺麗な色になるので心配いりません!
これで牛肉の低温ロティの完了です!!
ちなみに「赤いときちんと火が通っていなくて心配…」と思われるかも知れませんが、これは生ではなく色が変わらず硬くならない程度に火が入っているので、きちんと金串が温かくなっていれば心配いりません!
低温ロティのおかげでお肉は柔らかくジューシーに仕上がっています!!
フランス料理らしく赤ワインソースと一緒に食べるともう最高です!!
赤ワインソースの作り方はこちらから⬇︎
赤ワインソースもオススメですが、シンプルに塩やワサビ醤油でもすごく美味しく食べられます!
今回も最後までお読みくださりありがとうございました!!
牛ランプ肉ブロック
牛もも肉ブロック