今回はソース・ショロンの作り方をご紹介します!
ソース・ショロンはポール・ボキューズというフランスの一流料理人(クレームブリュレを発明した人)のスペシャリテ「スズキのパイ包み焼き」に合わせるのが定番のソースです。
ソース自体は卵黄に澄ましバターを少しずつ加えて作るサバイヨン系のソースで、温かいマヨネーズ状のソースにハーブやトマトを加えたものとなっています。
以前紹介したベアルネーズソースから派生したソースで、今回の記事は途中まで前回の文章とほとんど同じなので、ベアルネーズの記事を読んだことがある方は、もくじのトマトソースのところから飛ぶと見やすいかと思います。
材料(約3〜4人分)
- エシャロット ・・・約10g
- 白胡椒 ・・・10粒くらい
- エストラゴンビネガー ・・・30g
- 白ワイン ・・・50g
- 澄しバター ・・・60g
- 卵黄 ・・・1個
- イタリアンパセリ・・・3〜4本分くらい
- セルフィーユ ・・・3〜4本分くらい
- フレッシュのエストラゴン(あれば)3〜4本分くらい
- 生トマト ・・・2個
- オリーブオイル ・・・少量
- 塩 ・・・適量
エストラゴンビネガー
このベアルネーズソースはエストラゴンが入っていることが大きな特徴となるので、なるべくエストラゴンビネガーまたはフレッシュのエストラゴンを使いたいところです。ビネガーは高級スーパーや輸入食品店なら置いてると思います。
エストラゴンビネガー
作り方
エシャロットはみじん切りにし、白胡椒はよく潰しておきます。白胡椒は袋に入れて鍋の底で押しつぶしたり、綿棒なんかでバンバン叩けば細かく潰せます。
今回使うエストラゴンビネガーです。エストラゴンというハーブを白ワインビネガーに漬け込んでいるもので、ちょっと甘いような独特な香りがあります。
このエストラゴンが入るのがソースショロンの大きな特徴です。
鍋にみじん切りのエシャロット、潰した白胡椒、白ワイン、エストラゴンビネガーを入れて弱火にかけてゆっくり煮詰めていきます。
↑の写真のように、水分がほとんどなくなるくらいまでガッツリと煮詰めましょう。
このように香味野菜とワインなどを煮詰めたものをフランス料理では「レデュクション」と呼び、ソースのベースなどに使うことがよくあります。
ちゃんと煮詰まったら火を止めて粗熱を取っておきましょう。
ボウルに卵黄を入れて軽くほくじ、レデュクションと塩ひとつまみを加えて混ぜ合わせます。
ボウルを湯煎してソースを作るので、鍋に湯煎するためのお湯を用意します。
ゆで卵などを見ればわかる通り、卵は火を通すと固まります。急激に温めると一気に固まり、緩やかに火を通すと緩やかに固まっていきます。
一気に固まると卵がボソボソになりやすいので、このソースを作るときは緩やかに火を通すために湯煎の温度を高くなりすぎないようにすることが重要です。
お湯が沸騰している状態では温度が高すぎるので、水面がボコボコしない程度の状態で湯煎します(70℃くらい)。
ボウルを湯煎しながらよく混ぜていき、じんわりと火を通していきます。
徐々に卵黄にとろみがついてきたら、澄ましバター(溶けている状態)を糸のように細く垂らしながら泡立て器で混ぜ込んで乳化させていきます。
卵がちょっと固まってきそうだなーと思ったらちょっと湯煎から外してソースの温度を下げつつ、澄ましバターを少しずつ混ぜ込んでいきましょう。
ここで湯煎しすぎて卵が固まってしまったり、澄ましバターを一気に加えたりしてしまうとソースが分離してしまうので注意です。
澄ましバターを全て加えるとソースがマヨネーズ状になるのですが、もし緩かったらもう一度湯煎にかけて硬さを調節しましょう。
できたらシノワや目の細かいザルで濾してエシャロットや胡椒の粒を取り除きます。エシャロットや胡椒の味や香りはもうソースに移っているので。
濾すとなめらかなソースに仕上がります。
今回使うハーブはセルフィーユとイタリアンパセリです。本当はエストラゴンも加えるといいのですが、今回手に入らなかったので省略しています。
このハーブ類の葉っぱだけをみじん切りにしてソースに加えます。
ちなみにこういったハーブをみじん切りにしたものをフランス料理の世界では「フィーヌ・ゼルブ」と呼んだりします(ハーブの種類に関わらず)。
専門書なんかにもいきなりこういう単語がポンと出てくることがあるので、覚えておいて損はありません。
このソースはバターの割合が多めのソースなので、冷めてくるとだんだん硬さが出てきます。粗熱が取れたら硬さをみて、もしモッタリしすぎてたらほんの少しだけぬるま湯を加えて調整しましょう。
次にトマトソースを作っていきます。湯むきして中の種を取り除いたトマトを粗めの微塵切りにします。
オリーブオイルを少量入れた鍋に刻んだトマトを入れ、弱火でゆっくりと火を通していきます。ここで塩をほんの少しだけ振ります。
塩を入れると浸透圧でトマトから水分が出てくるので、トマトから出てきた水分でトマト自身を軽く煮るようなイメージで火を入れていきます。
火が入ってくるとトマトが煮崩れてきてだんだんとソースらしくなってきますので、そこから鍋を傾けても水分が滴ってこないくらいまで煮詰めていきます。
ある程度煮詰まったらトマトソースはこれで完成なので、ソースと混ぜる前に少し置いておき粗熱をとっておきましょう。
最後にソースとトマトを混ぜ合わせ、もしソースが固ければほんの少しだけ水を加えて伸ばして固さを調整し、味を見ながら塩で味を調えて完成です!
たっぷりのバターでコクがあり、爽やかなハーブの香りとトマトの旨味が合わさったとても美味しいソースです!
ぜひ作ってみてください!
このソースはスズキのパイ包み焼きに合わせるのが定番ですが、ソース・ベアルネーズのようにステーキやお魚に合わせても美味しいと思います!
今回も最後までお読みくださりありがとうございました!!
エストラゴン(フレッシュ)
エストラゴンビネガー
エシャロット