グランメゾン東京第10話 料理の解説!!

グランメゾン東京の解説
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今回はグランメゾン東京第10話の料理の解説をしていきます!

 

今回もドラマのストーリーではなく料理にスポットライトを当てて解説していきます!!

 

細かいところまで見ていくので、この記事を読んだ後にもう一度ドラマを見返すと新たな発見があってまた面白いと思います!!

また当記事は解説なのでネタバレを含む場合がありますのでご了承下さい。

 

過去のエピソードの解説やモンブラン・アマファソンの再現レシピはこちらでまとめていますのでよろしければ!⬇︎

グランメゾン東京の解説
「グランメゾン東京の解説」の記事一覧です。

 

 

京野の料理

 

引用:グランメゾン東京 10話  20191222日放送分 #GYAOスクリーンショット

 

京野が祥平のために作った「本州鹿ロースのパイ包み」です。

一度フライパンで焼き色をつけた鹿ロースをパイ生地で包んだ料理ですね。

お肉のパイ包焼きは挽肉をパイで包んだものと、塊肉を使うものがありますが、塊肉の方は火入れが難しくなります。

 

挽肉は焼きすぎてもホロッと崩れてくれるので食べやすいですが、塊肉を焼きすぎると硬くなって美味しくなくなってしまいます。

今回のパイ包みは一度フライパンで焼き色をつけているため、フライパンで火を入れすぎてしまうことに気をつけなければなりませんし、オーブンで焼く時もお肉の火入れ加減に気をつけながらパイにしっかりと焼き色をつけなければならないので難易度は高くなります。

 

付け合わせやソースの詳細はほとんど描かれていないのでよくわかりませんが、「今日の料理はぼんやりしている」と言われているにも関わらずこれだけ上手く肉の火入れが出来ているので、京野も調理技術は高いものを持っていることが分かりますね。

 

 

引用:グランメゾン東京 10話  20191222日放送分 #GYAOスクリーンショット

ちなみにこのパイのあみあみ模様ですが、お肉を包んだ普通のパイ生地の上から網目模様にしたパイ生地をかぶせています。

 

よくアップルパイで見る網目模様ですが、このようにパイ生地をカットする器具があり、それを使ってこの模様を作っています。

メッシュローラーと呼ばれて販売されているようですね。

 

 

 

gakuの料理

 

柿谷の試作品

 

引用:グランメゾン東京 10話  20191222日放送分 #GYAOスクリーンショット

こちらは焼いたキクイモに、周りの白いものが生のカボチャの種、キクイモの上に味噌を乗せ、キャビアを散らした料理だと見て取れます。

昆布出汁とも書かれているので、味噌を昆布出汁で伸ばしているのかもしれません。

ちょっと僕にはプランクトンはよくわかりませんが…

 

 

丹後の試作品

 

引用:グランメゾン東京 10話  20191222日放送分 #GYAOスクリーンショット

 

湯葉と花を食べるお料理ですね。山わさびの香りをつけた泡のソースでアクセントにしていました。

この食用花は「ナスタチウムの花」と書かれていますが、ナスタチウムはフレンチで使われることも多々あるハーブで、そのハーブの花を使っていました。

このナスタチウムの花はキャプシーヌとも呼ばれ、第1話の「手長海老のエチュベ」で使われたキャプシーヌオイルのキャプシーヌと同じものです。

 

 

グランメゾン東京の料理

 

白子のポッシェ

 

引用:グランメゾン東京 10話  20191222日放送分 #GYAOスクリーンショット

 

これは前回の白子の冷菜に熱々にロースとしたピーカンナッツを乗せた料理でした。

ポッシェとは沸騰しない程度の温度の液体(大抵お湯ではなくブイヨンやコンソメなど)の中に食材を入れて火を通す調理法です。すっごい簡単に言うと「茹で」のようなものです。

「ショーフロワ」とは、フランス語でショーが熱い、フロワが冷たいという意味の言葉です。

ショーフロワという料理は加熱して熱くなった料理を冷やして提供するものです。多くの場合はその冷やした食材をソースやジュレでコーティングして仕上げます。

 

そしてグランメゾン東京の料理はそれにプラスして、冷たい白子に熱々にローストしたピーカンナッツを乗せることで「熱」と「冷」を名前の通りに強調しているのでしょう。前回の栞奈から「ワインと合わせるために料理の温度を上げたほうがいい」というアドバイスを取り入れるのも兼ねて。

 

 

クスクスのサラダ

 

引用:グランメゾン東京 10話  20191222日放送分 #GYAOスクリーンショット

 

次は「リ・ド・ヴォーを入れたクスクスのサラダ」でした。

 

リ・ド・ヴォーとは仔牛の胸腺のことで、フレンチでも使われることが多々あります。フレンチを題材にしたディズニー映画「レミーのおいしいレストラン」でもこのリ・ド・ヴォーを使った「リ・ド・ヴォー・ア・ラ・グストー」とい架空の料理も出てきます。

このリ・ド・ヴォーは小麦粉で衣をつけてフリットにしていました。

 

一方クスクスですが、これは世界一小さいパスタとも呼ばれるもので、大抵の場合乾燥させた状態で販売されています。

パスタなので茹でるかと思いきや、クスクスはお湯を注ぐだけで簡単にふやけます。

普通のお湯を注いでもいいのですが、旨味をプラスするため大抵はブイヨンなど味のついたものを使います。

 

このクスクスは1話か2話でも「クスクス・ア・ラ・メゾン」として登場しましたね。

上記でも述べたようにクスクスは味のついたものでふやかすのですが、トマトソースやサフランを使うと色もついて鮮やかな見た目にもなります(ただのお湯だと黄色)。

今回のクスクスのサラダも、ほうれん草とセリという葉物野菜とブイヨンをミキサーにかけたものでクスクスをふやかしているので鮮やかな緑色になっていますね。

 

 

キジバトのドゥミ・アンクルート

 

引用:グランメゾン東京 10話  20191222日放送分 #GYAOスクリーンショット

 

まずはソースから。

ソースは相沢は「赤ワインとフォンドボーのシンプルなものにしてみる」と言っていました。それ以外の材料には鹿のジュ、ハチミツ、カンパリ、バター、コーンスターチがあります。

 

コーンスターチはとろみづけ、バターは乳化させるためものもでしょう。バターによる乳化はフランス料理の基礎で、ソースをバターで乳化させることでトロミがついてツヤも出すことができます。

鹿のジュを使うのは、鹿の野生味をプラスし鹿と同じジビエであるキジバトとの相性を考えてのことでしょう。

カンパリはカンパリソーダなどで飲んだこともある方もいると思いますが、苦味のあるオレンジのお酒です。このカンパリの苦味とフルーティな香りでソースに深みを出しているのでしょう。また付け合わせにザクロを使っているのでフルーツの香りをソースにつけることでまとまりが出ます。

 

次に付け合わせを。

倫子は「ビーツのアシェも加えよう」と言っていましたが、アシェとは調理用語でみじん切りのことです。

みじん切りにしたビーツとザクロ、キジバトの内臓を混ぜ合わせて付け合わせとしていました。

「キジバトの内臓」と聞くとゲテモノ感が出てしまいますが、我々もレバーなり砂肝なり普通に食べているのでそれと同じ感覚です。

焼いたりオーブンに入れるなりした内臓を裏ごしして細かくし、ザクロやビーツと和えているのでしょう。

このような火を通した内臓のことをフレンチでは「ファルス・ア・グラタン」と呼んだりもします。

 

 

引用:グランメゾン東京 10話  20191222日放送分 #GYAOスクリーンショット

 

キジバトは皮目だけを炭火で焼きいてパリッと仕上げ、反対の面にだけ生地を塗って多めの油で揚げ焼きのようにしていました。

またドラマ中では「パイ生地」と呼ばれていましたが、これは一般的な、何層にもなっているサクサクのパイ生地ではなく、食感的には全く別のものと言っていいでしょう。

ドロっとしていたあの生地も、おそらく一般的なパイ生地と同様の材料、小麦粉、バターなどを混ぜ合わせ、水分を多めにした生地なのではないかと思われます。

 

名前の「ドゥミ・アンクルート」ですが、「ドゥミ」は半分という意味で、アンクルートは食材を生地で包んだりして作る料理によく使われる名前です。

なので意味的には「半分だけ生地をつけた」という感じです。片面にだけ生地を塗るというその見た目を表した名前ですね。

 

このドゥミ・アンクルートという名前は僕は聞いたことがないので、このドラマのために生み出された料理なのではないでしょうか?

 

 

その他

 

プチパン

 

引用:グランメゾン東京 10話  20191222日放送分 #GYAOスクリーンショット

この京野が持っている小さい鍋はプチパンと呼ばれるもので、ソースを作ったり、作っておいたソースを温めるのに使われます。

大量に作ったソースを必要な分だけこのプチパンに入れて温めることができるので便利です。

 

ガスコンロの五徳には小さすぎて乗らなかったら不安定になるので、プラックと呼ばれる鉄板の上に置いて温めています。

プチパンは見た目もおしゃれですが結構高価です…

 

 

フレンチ料理人の役職

 

ストーリー序盤で尾花が祥平に対して「コミのくせに責任感じるなんて100万年早いんだよ!」と言っていました。

フランス料理の料理人には役職のようなものがあります。

 

  • シェフ ・・・厨房全体で1番立場が上の責任者
  • スー・シェフ ・・・副シェフ
  • シェフ・ド・パルティ ・・・部門シェフ
  • コミ ・・・平(ヒラ)の料理人
  • アプランティ ・・・料理人見習い

 

という感じになっています。

部門シェフは前菜やメインなどそれぞれの持ち場に1人配置されます。

尾花が言っていた「コミのくせに責任感じるな」というのは、「ヒラの料理人で責任取る立場でもないのに」と言うことですね。

 

 

この役職分けはフランスの伝統的なものなので、実際の日本のフランス料理店ではこのように分けられていないケースも結構多いです。

小規模のレストランならこんなに役職分けするほど料理人がいないケースもありますしね。

 

グランメゾン東京でも倫子がシェフ、尾花がスーシェフ、ちょっと前の芹田はアプランティ(見習い)となっていますが、相沢などはどんな立場なのかよくわからないので、細かく役職を決めていないのかもしれません。

 

 

フランス料理は常温

 

フランス料理は常温のものが多いと言われていました。

高級なフランス料理店でフーッ、フーッと料理を冷ましている光景は見たことないしドラマでもそんな描写は無いと思います。

 

高級な料理なのに熱すぎて口の中を火傷してしまったら元も子もないというのがひとつの理由です。

もうひとつは、1番美味しくなるようにしているからです。

 

少し専門的な話になりますが、余熱調理と言う言葉がありますね。

お肉などを休ませて余熱で火を入れる手法ですが、お肉は休ませている間お肉の中で肉汁が動き回ります。

温まった肉汁が肉の内部で動き回ることでその肉汁に触れた部分の肉が温まり火が入るのです。

 

お肉が冷めてくると肉汁は動かなくなるのですが、温かいうちにお肉を切ると肉汁がまだ動いているので、断面から肉汁が流れ出てしまいます。

肉汁は旨味なのでこれが流れ出てしまうと非常にもったいないです。なのである程度冷めて肉汁の動きが止まった時にカットしてお客様に提供することで、旨味を閉じ込めたまま食べてもらえるのです。

 

そういった事情もあり、ある程度冷めて熱々ではなくなった時に料理が提供されるためフランス料理には温度感がないと言われるのでしょう。

 

最後に

 

今回も最後までお読みくださりありがとうございました!

次週はいよいよ最終回ですね!

 

今までのエピソードの解説やモンブラン・アマファソンの再現レシピはこちらにまとめてあります!次週の更新もこちらで行いますのでチェックしてみてください!⬇︎

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