今回はグランメゾン東京の料理解説記事の第5話についてです!!
この記事ではドラマの中の料理に関することを中心に扱っているため、ドラマのストーリーなどには余り触れていないので、その辺りはご了承ください。
ですが料理に関することはドラマの中の細かいセリフや描写を拾って解説しているので、この記事を読んでからドラマを見返すとより楽しんでいただけるのではないかと思います!
グランメゾン東京の過去の話や最新話の解説、(1話、2話はありません…)や、ドラマで出てきてモンブラン・アマファソンのレシピなどはこちらでご紹介しているのでよろしければ!↓
カレー作り
カレー作りの流れ
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
最初にオーブンで鹿の骨を焼いているシーンがあり、尾花は「やっぱり骨は焼いてから煮出すと深みが出るな」と語っていました。
これはフォンというフレンチで使うダシ汁を作る場面ですが、フォンは骨や筋肉を使って作ります。
一度オーブンでこんがりと焼くことで、骨から余分な水分が抜けて旨味が凝縮し、さらに焼けた香ばしい匂いと焼き目の茶色がしっかりとつき、これを煮出してフォンを作ります。
そうすると鹿の旨味が溶け出た香ばしい香りの茶色いフォンが出来、味にも色にも深みのあるフォンが完成します。
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
次に鍋でホールのスパイスや香味野菜を弱火でじっくりと炒めて香りを引き出し(一番上の写真)、この炒めたものとフォンを混ぜ合わせてさらに煮出します。
別の鍋にパウダーのスパイスと小麦粉をバターで炒めて茶色いルウをつくります(写真2枚目)。フレンチで言うルウはバターと小麦粉を炒めたものでとろみ付けに使います。ほどほどに短時間で炒めると白いルウになり、じっくりと色づくまで炒めると茶色いルウになります。
白いルウと茶色いルウは用途によって使い分けられ、白いルウはシチューのような白くてとろみのある料理に、茶色いルウはカレーのように茶色い料理に、とろみづけと色付けに使います。
ルウを作った鍋に、先程の香味野菜を合わせたフォンを少しずつ注いで伸ばしていき、そこから煮込んでいきます。
倫子の家でカレーを作っているときに尾花が翔平に向かって「絶っ対に焦がすなよ!」と言っていますが、トロミのついたものはかなり焦げやすくなっているので、煮込んでいる間絶えず混ぜ続けて焦げ付かないようにしなくてはなりません。
また上の3枚目の写真にトマトコンカッセと書いてありますが、コンカッセとはみじん切りの一種のようなもので、形を揃えて切られるのが一般的です。
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
最後に煮込んだカレーを裏ごしして完成となります。
煮出した香味野菜はざらっとして口当たりが悪いですし、ホールで使ったスパイスはそのままでは食べられないので裏ごししてなめらかなカレーにするのです。
当ブログでは以前に欧風カレーのレシピを紹介したのでよろしければご覧ください↓
アッシパルマンティエ
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
アッシ・パルマンティエという料理は、祥平が賄いを作ったときには字幕でポテトグラタンという風に訳されていましたね。
簡単に言うとポテトグラタンなんですが、アッシ・パルマンティエは裏ごししたマッシュポテトと細かくしたお肉を使った料理です。
この名前の「アッシ」はフランス語の「アッシェ(みじん切り)」のことで、細かくしたお肉のことを指しています。通常はみじん切りにしたお肉や挽肉を炒めたものを使うのですが、ドラマの中ではアレンジとして牛テール肉の赤ワイン煮込みを使っていましたね。
おそらく煮込んで柔らかくなったテール肉をほぐして使っているものと思います。
またパルマンティエはフランスの農学者の名前で、フランスで食用ジャガイモを広めた人だとされています。
フランスではジャガイモを使った料理が結構多いので、その食文化を作ったパルマンティエさんに敬意を込めてジャガイモを使った料理に「パルマンティエ風」と名付けることもあります。
通常のアッシ・パルマンティエは裏ごししたジャガイモと炒めたお肉、すり下ろしたチーズで作るのが一般的ですが、ドラマでは祥平や尾花は栗ときのこ、梨を使って賄いとしてアレンジして作っていたようです。
アッシ・パルマンティエの作り方もこちらで紹介しているのでよろしければ!↓
フードフェス
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
カレーの後に出したフェスのお店の看板には「鹿肉のジャポネバーガー」と書かれていましたが、ジャポネはフランス語で「japonais」と書き、「日本の、日本風」という意味です。
鹿肉のバーガーにテリヤキソースをかけているから日本風なんでしょうね。
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
1枚目の写真はギョウザフェスのときのメニューです。グランメゾン東京で使っている食材の余りで作ったギョウザなので、コースで出している牛の胃袋のグリエの余りを使っているのでしょう。
2枚目の写真はスリースターズのお店に運営スタッフが来て営業を辞めさせる場面の画像です。よく見るとテントの上にメニューの写真があり、「白レバーのムース バゲット添え」と「自家製ぬか漬けのピンチョス」と書いてあります。
白レバーのムースは「ナスのプレッセ」で使う白レバーの余りを使ったものだと推測でき、ペーストにした白レバーに卵や生クリームを混ぜて火を通して作ったムースなのでしょう。ちなみに白レバーとは脂肪が溜まったレバーのことで、フォワグラの鶏やホロホロ鳥バージョンだと思っていただければ。
またぬか漬けのピンチョスもグランメゾン東京で余った野菜をぬか漬けにしてピンチョス仕立てにしたものでしょう。
ぬか漬けは第1話か2話で「倫子の家のぬか床が美味しい」というシーンがあったので、もしかしたら倫子宅のぬか床を使ったのかもしれません。
ピンチョスとはスペイン料理のおつまみのようなもので、爪楊枝のような「ピン」に刺しているものが多いことからピンチョスと呼ばれています。そこから派生してピンに刺さっていなくてもひと口サイズのおつまみをピンチョスと呼ぶようになっています。
調理器具
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
これはアッシ・パルマンティエを焼いているシーンですが、このパルマンティエに焼き色をつけている機械は「サラマンダー(サラマンドル)」と呼ばれる機材で、扉のないオーブントースターのようなものです。
サラマンダーの上の部分が熱くなり、パルマンティエの表面にのみ焼き色をつけるのに使っています。第4話のコースの「雲丹のグラティネ」もこのサラマンダーでソースの表面だけを焼いた料理です。
ちなみにこのサラマンダーは充分に熱くなるまで時間がかかるので、営業中はずっと電源を入れたまま、熱いままなので厨房の中は結構暑くなります。特にサラマンダーの近くは嘘みたいに暑いです…
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
器具って程でもないですが、鍋の取手を掴むときに巻いているこの布は「トーション」というもので、熱くなった鍋の取手に巻くことで手が火傷しないようにしています。
すぐに取り出せるようにエプロンの腰の部分に結んでいるので、他のシーンでも腰からトーションが垂れ下がっているのを確認できます。
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
アッシ・パルマンティエのジャガイモを裏ごししている調理器具は「タミ」というものです。ジャガイモは練るように裏ごしするとグルテンが出てきてしまいネバッとした食感になってしまうので、体重を乗せて一気に裏ごしします。
また、ジャガイモはフードプロセッサーにかけてもグルテンが出てきてしまうので、手間はかかっても必ずこのタミで裏ごしするのです。
引用:グランメゾン東京 第5話 2019年11月17日放送分 #GYAOスクリーンショット
この鍋を置いている台ですが、これは作業台ではなくてプラックというコンロなのです。一見ただの鉄板ですが、下から火を当てていて熱くなっています。
プラックの真ん中だけに火を当てているので、真ん中が一番温度が高く、外に行くにつれて温度が低くなります。
この場所によって温度が異なるシステムを使って、鍋を置く場所によって強火や弱火を直感的に使い分けることができます。
このプラックも仕込み中や営業中はずっとつけっぱなしなのでなかり厨房の中が暑くなります。真夏なんかはサラマンダーと合わせると殺人級の暑さです…
今回の解説は以上です!!最後までお読みくださりありがとうございます!!
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