豚肩ロースの火入れ(ロティ)

肉、魚の火入れ
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今回は豚肩ロースのローストの火入れの仕方をご紹介したいと思います。

 

ローストとはオーブンで火を入れる調理法で、フランス語だとロティと言ったりします。今回は脂分が多めでパサつきにくい豚肩ロースをローストしたいとおもいます。

また、なるべくわかりやすくなるようにと思いお肉の焼き方等のポイントとか理論っぽいことを結構細かめに書いていますが、読むのが面倒でしたら読み飛ばしてしまって構いません笑

 

 

焼き方

 

まず豚肩ロースの準備をします。肉をブロックで買った場合は厚さ3センチほどにカットしておきます。カットされているものを選ぶ場合は同じくなるべく厚みのあるものを選びましょう。

カットした肉は両面と側面にひとつまみずつくらい塩を振り、30分ほど置いて常温に戻します。

 

 

【考え】

よく「お肉は焼く直前に塩を振れ!」と言われますが、ここら辺は焼くお肉の種類や焼き方によって変わりますし、料理人によっても意見が分かれるところです。

私は今回は焼く直前ではなく、塩を振ってからしばらく置いてから焼くというやり方を取ります。

 

理由としては、お肉に塩を浸透させてしっかりと下味をつけるためです。焼く直前に塩を振るとお肉の中まで塩が浸透する前に焼くことになり、お肉の外側だけに塩が付いている状態で焼くことになります。そうすると焼いている間に塩がフライパンにくっついたり焼き油に流れたりして、お肉に振ったお塩はほとんどがはがれてしまいます。

なのでしっかりとお肉に塩を浸透させてから焼くことでお肉にちゃんと味をつけることができるのです。下味がちゃんと付いたお肉はソースのノリもよくなって美味しくなります。

 

また、塩を振ってからしばらく置くと浸透圧でうまみが流出してしまうという意見もありますが、浸透圧でお肉から出るのはほとんどがただの水分ですので、むしろ塩を振って余計な水分を抜くことでお肉自体の旨みを凝縮させることができると私は考えます。

またコショウはそもそも浸透しないので、強火で焼くとコショウが焦げてしまうため今回は焼く前にはコショウは振りません。

 

前置きが長くなってしまいましたね。それではようやく焼き始めていきたいと思います。

フライパンにオリーブオイルを適量引き、強火にかけてよく温めておきます。よーく温まってからお肉を入れて焼いていきます。

表面に一気に焼き色をつけるように強火で焼き付けていきます。トングで上から少し押しつけるように焼くと満遍なく焼き目が付きます。余談ですがフランス料理ではオーブンに入れる前にフライパンで焼き色をつけるこの工程をリソレ(rissoler)と言います。

 

お肉の表面は上の写真のようにこんがりと焼き色をつけて香ばしさを出します。後でオーブンに入れるので、ここでは中心まで火が通っている必要はありません。

むしろ中心部分はオーブンによる加熱と余熱で仕上げたいので、中まで火が通ってしまわないようにここでは強火で短時間で焼くことが大切です。

 

しっかりと焼き色がついたら網に乗せ、コンロやオーブンの近くの温かい場所で5分ほど休ませて余熱で火を入れます。

網の上ではなく直接皿などに乗せてしまうと、お肉とお皿の接地面に熱がこもり、お肉の上面と下面で余熱の入り方にムラができてしまうので、できれば網の上に乗せるのが好ましいです。同じ理由でお肉同士も少し間隔をあけ、重ならないように置いて休ませましょう。

 

お肉を休ませ終わったら、網に乗せたまま180℃のオーブンに4分ほど入れて火を入れます。4分経ったらオーブンから取り出し、4分(オーブンに入れた時間と同じだけ)休ませます。

休ませたらお肉に金串を刺し5秒ほど経ったら抜いて、自分の下唇の下に金串を当てます。この時に金串が熱いと感じたら火入れは完了です。まだちょっとぬるいなと感じたら再びオーブンに2〜3分ほど入れて休ませ、再び金串で確認します。

金串が熱いと感じるようになるまで2〜3分くらいずつオーブンに入れて火を通しましょう。

 

オーブンから出したら休ませてから切り分けていきます。焼きたてホヤホヤの状態で切ってしまうと美味しい肉汁が流れ出てしまうので、休ませて肉汁を落ち着かせてから切るようにしましょう

 

お肉の断面の色ですが、ピンク色(ロゼ色)くらいが柔らかくてジューシーで美味しいです。豚肉なのにピンク色で大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、菌が死ぬ温度と中心の色が白く変わって固くなる温度は違いがあります。

なので断面がピンク色でも大丈夫なのは殺菌温度に達しながらもお肉が硬くならない程度に火を通しているからです。

 

とは言っても生焼けかどうか見分けるのは難しいと思うので、見分け方のポイントとして

  • 肉汁に血が混じっている
  • 断面が温かくない
  • 断面が生っぽく、透明感がある
  • 断面を触ってみるとグニグニした生っぽい感触がする

等であれば火入れが不十分な可能性が高いですので、オーブンに入れて追加加熱しましょう。

どうしてもピンク色だと不安だなぁと思う方は白っぽくなるまで火を通してしまって全然OKです。好みもありますし何よりも料理は安全に食べることが第一なので、自分の納得した形で食べる、食べてもらうことが一番です。

 

お肉の火入れは料理の中でも結構難しいところではあるので、失敗しても落ち込まずに何度もチャレンジすることが大切です!

 

 

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今回も最後までお読みくださりありがとうございます!!

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