自宅で料理することが増えた昨今ですが、ガチ料理するぞー!と張り切ってみるはいいものの、時間がかかりすぎるのがネックになってしまいますよね。
特にビーフシチューなどの煮込み料理はちゃんと作ると1日じゃ完成しないこともあります。なので急に思い立って作っても当日中に食べられないなんてことにもなりかねないですね。
なので今回はビーフシチューを半日で作れるようにアレンジしたレシピをご紹介したいと思います。イメージとしてはお昼前の10時ごろから食材を買いに行っても夕飯に間に合うような感じです。
ただ半日でとはいっても5〜6時間ほど見ていただきたいなぁと思います(手際の良さによってかかる時間は変わりますが)。また、時間は短くても手順は多く手間もそれなりにかかるので、そこは少し覚悟してください笑
その分再現しやすいようにこの記事では写真も多く説明も詳しめに書いているので、ご安心を!笑
それではさっそく作り方をみていきましょう!!
材料(約4人分)
- 牛肩ロース肉(ブロック)・・・700gくらい
- 牛すじ肉 ・・・400gくらい
- にんじん ・・・1/2本
- 玉ねぎ ・・・1/2個
- セロリ ・・・1本
- にんにく ・・・2かけ
- オリーブオイル ・・・適量
- 赤ワイン ・・・750ml(ボトル1本)
- 水 ・・・適量
- フォン・ド・ヴォー ・・・290g
- ローリエ ・・・1枚
- ブラックペッパー(ホール)・・・15粒ほど
- 塩 ・・・適量
ブラウン・ルウ
- バター ・・・50g
- 薄力粉 ・・・50g
添え物
- にんじん ・・・1/2本
- ブロッコリー ・・・適量
- クレソン ・・・適量
- マッシュルーム ・・・ひとり2個くらい
【赤ワインの選び方】
赤ワインにはコクや渋味の濃さを表す「ボディ」というものがあり、薄いものから順に、ライトボディ→ミディアムボディ→フルボディに分けられています。
赤ワイン煮込みにおいて赤ワインは、牛肉と共に主役級の存在となるので、口当たりの軽いライトボディを使うと「なんか物足りない…」味になってしまいます。
なので煮込みにはミディアムボディ、またはフルボディの赤ワインを使うことをお勧めします。
そのワインが何ボディなのかは、大体ワインのラベルや陳列棚に書いてあるので売り場でしっかり選んで購入しましょう。
【お肉の種類】
お肉は今回私は牛肩ロース肉を使いました。2〜3時間程度煮込むので、煮込み時間が短めでもある程度柔らかくなる、ブロックの肩ロース肉か牛バラ肉がいいと思います。
牛モモ肉も煮込み用と書いてあることが多いですが、牛モモ肉は数時間煮込むとかなりパサつきやすいので、今回のレシピで使うことはあまりオススメしません。
【フォン・ド・ヴォー】
フォンドヴォーは仔牛の骨や筋肉を煮出して作るフランス流の出汁のようなもので、あらゆるソースのベースとしてよく使われます。今回はシチューに牛の旨みを足す為に使います。一般家庭で使う場合はハインツ社製の缶詰のものが売られているので、そちらを使うことをお勧めします。
どうしても手に入らなかったら最悪省いても構いません。
作り方
赤ワインの下準備
まず赤ワインを鍋に入れて中火で煮詰めていきます。
しばらくするとワインがグーっと煮詰まってとろみが出てきます。
よく煮詰まったら水を1000mlくらい注ぎ、再び煮詰めていきましょう。煮詰める→水を加える→また煮詰めるを3回くらい繰り返します。
普通のビーフシチューではこんなことはしないのですが、今回は半日で作らなきゃいけないので短い煮込み時間ではワインっぽさ、ワイン臭さが飛んでくれません。
なので加熱を繰り返してワイン臭さを飛ばし、「長時間煮込んでる感」を出してあげます(ちょっと荒技ですが笑)。
焼き
ワインを火にかけている間に、牛すじを焼いていきます。フライパンに少しだけオリーブオイルを引き、強火で牛すじに焼き色をビシッとつけるように焼きます。
トングやヘラで上から押さえつけて全体に茶色く焼き色をつけましょう。
牛すじからは牛のいい出汁が出るのでシチューに旨みをプラスするために使います。
焼けた牛すじは取り出して別の大きめの鍋に移します。焼いていたフライパンは洗わずに油だけ捨て、水をコップ一杯ほど注ぎます。
水を注いだら火にかけて、フライパンにこびりついた旨味を水に溶かすようにゴムベラでこそぎます。
↑水が茶色くなっていますが、これは旨味が水に溶けた状態です。この旨味の溶けた水は牛すじが入っている鍋と同じ鍋に入れておきます。
このフライパンに残った旨みを水に溶かさせる工程は「デグラッセ」といい、フランス料理の古典的なテクニックのひとつです。
次に香味野菜を焼いていきます。にんじん、玉ねぎ、セロリを大きめに適当にカットしにんにくは薄皮をむいて潰しておきます。
フライパンに少し多めにオリーブオイルを引いて強火にかけ、香味野菜を炒めていきます。牛すじ同様にビシッと焼き色をつけるように炒めましょう。
よく焼けたら牛すじと同じ鍋に入れ、使ったフライパンに水を注いで再びデグラッセしましょう。
最後に主役の牛の塊肉を焼いていきましょう。これも同様に強火で焼き色をしっかりとつけるように炒めます。表面に焼き色がつけばいいので、中は生焼け状態で全然構いません。後で煮込んだ時に火が入るので。
表と裏に焼き色がついたらトングで持ち上げて側面にしっかりと焼き色をつけてあげます。焼いた後のフライパンは油を捨ててデグラッセを忘れずに。
こうやって食材に焼き色をしっかりとつけてから煮込むことで、煮汁に香ばしい香りと深い茶色が溶け出し、美味しいソース(シチュー)に仕上げることができます。
煮込み
焼いた牛すじ、香味野菜、塊肉、デグラッセの水を入れた鍋に、数回煮詰めたワイン、フォンドヴォー、軽く潰したホールトマト、水を加えます。水は特に分量は決まっていませんが、お肉がしっかりと浸かるくらいまで加えましょう。
強火にかけて温まってくると、水面にアクが浮いてくるので丁寧に掬って取り除いていきます。
アクが大体取り除けたらローリエ、ブラックペッパー(ホールを潰さずそのまま)、塩をふたつまみほど加え、沸騰しそうになったら火を弱めます。ボコボコと沸騰させずに、静かに水面が揺れる程度の火加減をキープしながら煮込んでいきます。まさにじっくりコトコトって感じですね。
煮込み時間は2時間〜3時間ほどである程度柔らかくなりますが、もっと煮込めばその分柔らかくなります。ただ、この後もやることは沢山あるので、あまり煮込みに時間をかけすぎると半日じゃ終わらなくなってしまうので注意です。
ソース作り
2〜3時間煮込んだらお肉だけを取り出します。
煮汁はザルで濾して香味野菜や牛すじを取り除きます。香味野菜も牛すじも出汁を取るために使ったので、今回は具材としては使いませんが勿体無いと思う方はビーフシチューと一緒に食べても構いません。特に牛すじは柔らかくなっていて美味しいので食べちゃいましょう笑
香味野菜と牛すじは後で食べるにしても作業しづらいのでここでは一旦避けておきます。
濾した煮汁はもう一度ペーパーで濾し、細かい野菜の破片等を取り除きます。舌触りとかあまり気にしない方はここは省いても構いません。
濾した煮汁は表面に脂が結構な量浮いているので、出来るだけすくって取り除きます。多少残っているくらいは全然大丈夫です。
脂がある程度取れたら煮汁を煮詰めていきます。煮込んでいる時と同様にあまりボコボコ沸かさずに、優しく煮詰めていきましょう。激しく沸騰させると脂と煮汁が乳化して白湯(パイタン)状になってしまいます。
次に、煮汁にとろみをつけてソースにするために、ブラウン・ルウを作っていきます。
別の鍋にバターを入れ、弱火にかけて溶かします。
バターが溶けて少し泡が出てきたら、ふるっておいた薄力粉を一気に加えます。
弱火にかけながら混ぜていくと、バターと小麦粉が馴染んでペースト状になってきます。ベシャメルソース等の白いソースを作る時には写真のように白い状態でいいのですが、今回はビーフシチューの深い茶色さを出すために、ルウも茶色くなるまで加熱していきます。
弱火のまま加熱を続けていくと段々と茶色く色づいてきます。焦げ付かないように付きっきりで混ぜ続けながら上の写真くらいの色になるまでゆっくり加熱していきましょう。
しっかりとルウが色づいたら、煮汁をレードル(おたま)一杯くらい加え、よく混ぜます。最初に煮汁を加えた時は小麦粉が水分を吸って固形状になるので、それを伸ばすようにさらに少しずつ煮汁を加えて混ぜ込んでいきましょう。
煮汁を全て加えたら、ソースのとろみを確認します。シチューらしいとろみ具合になっていればOKです。
もしサラッとしすぎていれば弱火で丁度いいとろみになるまで煮詰め、逆にドロっとしすぎている場合は水を加えて伸ばして調整しましょう。
最後に塩で味を調えてソースは完成です!
仕上げ
食べる直前になったらお肉とソースを温め直します。
一人前サイズに牛肉をカットし、ソースとマッシュルームを鍋に入れて、お肉がしっかりと温まるように蓋をして中火で温め直します。
器に盛り付け、彩りで茹でたブロッコリーやにんじん、クレソンなどを添えて完成です!!
深みとコクのある、なめらかな口当たりのシチューに柔らかく煮えた牛肉がとても美味しいビーフシチューに仕上がっています!ぜひ作ってみてください!!
ちなみにですが、私は煮込み時間2時間でトータル4時間ほどで完成しました。なのであまり料理慣れしてない方でも5〜6時間ほど有れば作れるのではないかと思います。
今回も最後までお読みくださりありがとうございます!!
【お知らせ】
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フォン・ド・ヴォー