簡易版とは言ってもケチャップとウスターソースを混ぜ合わせてハイ!完成!というようなものではなく、少し手間をかけて味本格的に仕上げたとても美味しいソースです!
もともとのデミグラスソースは「ソース・エスパニョール」というソースから派生したもので、ソースエスパニョールに赤ワイン等を加えて「半量(デミ)」になるまで「煮詰めた(グラス)」ソースとなっています。このエスパニョールから作るとなると、冗談抜きで4〜5日くらいかかってしまいます。
そんなの一般家庭ではできませんし、飲食店でさえもソース一種類にそんなに時間かけてらんないですよね(デミグラスが評判のお店ならまだしも)。
なので今回は簡易版として作りやすいように再構築したレシピとなっていますので、是非作ってみてください!ただ、簡易版とはいえ作るのに1時間近くはかかるので頑張ってください(本家と比べたら簡易版ということで)!!
材料(約4〜6人分)
ソースのベース
- 玉ねぎ ・・・1/2個分
- ニンニク ・・・1カケ
- バター ・・・20g
- 赤ワイン ・・・500ml
- トマトペースト ・・・20g
- フォン・ド・ヴォー ・・・200g
- 水 ・・・300ml
ブラウン・ルウ
- バター ・・・20g
- 薄力粉 ・・・20g
仕上げ
- 牛脂 ・・・10g
- 塩 ・・・適量
フォン・ド・ヴォー=牛の骨やスジを煮込んだダシ汁のようなもの。市販の缶詰のものを使って頂ければ十分です。
牛脂=牛の旨味をソースに加えるために使います。スーパーの精肉コーナーにある無料のキューブ状のアレで大丈夫です。
作り方
ソースのベース
まず玉ねぎをスライスします。
この玉ねぎはソースに旨味を出させる物なので、旨味が溶け出しやすいように繊維を断ち切るようにスライスします。
アメ色玉ねぎを作っていきます。
鍋にバターを入れて火にかけ、みじん切りにしたニンニクを加えます。ニンニクからシュワシュワと細かい泡が出てきて香りがふわっと香るまで弱火で炒めていきます。
ニンニクの香りが立ってきたら玉ねぎを加えて軽く混ぜ合わせ、中火に強めて一緒に炒めていきます。
玉ねぎが早くしんなりするように、塩をひとつまみと水をほんの少しだけ加えます。
水を加えることで玉ねぎが軽く蒸されたような状態になるので早くしんなりしてくれ、油も回りやすくなるので早くアメ色まで色づいてくれます。
炒めていくとアメ色になってきました。茶色くなるまでよく炒めることで旨味を引き出すのに加えて、ソースに茶色く深みのある色を加えることができます。
玉ねぎがアメ色になったら赤ワインを加えて沸騰するまで強火にかけます。沸騰すると水面の真ん中にアクが寄ってくるので丁寧にすくってアクを取り除きます。
アクを綺麗に取り除いたら弱火に落とします。
しばらくコトコトと赤ワインを煮詰めていきましょう。時間は少しかかりますが我慢です(本物のデミグラスに比べたらかかる時間はかわいいもんです笑)。
⬆︎結構煮詰まってきましたが、まだまだです。この時点では煮詰まった赤ワインが玉ねぎにトロッと纏わりついている状態です。普通の赤ワインソースなら煮詰めるのはこのくらいまでですが、今回はもっと煮詰めていきます。
⬆︎水分がほとんどなくなって、鍋を傾けても水分が垂れてこなくなるまで煮詰めました。これでOKです。
ここまでしっかりと煮詰めることで、ある程度赤ワインの香りを飛ばして何日も煮込んでる感を出すことができます。
しっかり煮詰まった中にトマトペーストを加えてよーく混ぜ合わせます。
そこに水とフォン・ド・ヴォーを加えて強火で沸かします。再びアクが浮いてくるので丁寧にアクを取っていき、アクが取れたら弱火に落としましょう。
弱火のまま10分ほど火にかけて玉ねぎの旨味をソースに移していきます。
次に目の細かいザルでソースを濾します。玉ねぎが吸ってる水分を絞り出すようにぎゅーっと押して旨味を残らずソースに出します。
濾したソースはこの時点ではサラサラなので、茶色いルウでトロミをつけていきます。
ブラウンルウ
別の鍋にバターを入れて火にかけて完全に溶かします。
ふるっておいた薄力粉を一気に加え、ゴムベラでよく混ぜていきます。
⬆︎中〜弱火で炒めていくと、薄力粉とバターが馴染んで粉っぽさがなくなってサラサラになってきました。
この時点でルウとして使用可能で、ベシャメルソースなどの白いソースには使えるのですが、今回はデミグラス(もどき)なのでソースを綺麗な茶色に仕上げるために、ルウも茶色くなるまで引き続き炒めていきます。
⬆︎少し茶色みがかってきました。香ばしい香りが立ってきて、ちょっとポップコーンみたいな匂いがします。
まだ茶色に深みが足りないので、引き続きゴムベラでよく混ぜながら加熱していきます。
⬆︎完成に茶色っぽくなりました。これで茶色いルウの完成です。
茶色く色づいたルウに、先程のソースを少しずつ加えていきます。最初はレードル1杯くらいずつ加えてよく混ぜ、完全に馴染んでから再びソースを加えていきます。最初に加えたときは小麦粉が水分を一気に吸って団子状になりますが、ソースを少しずつ加えてそのよく都度混ぜていくと、だんだんサラッとしてきます。
仕上げ
ルウにソースを全て加えたらある程度サラッとした状態になると思います。ここからまた弱火にかけてトロッとするまで煮詰めていきます。
トロみのあるソースは火にかけると焦げやすいので、煮詰めている間はゴムベラでよく混ぜ続けましょう。だんだんとトロッとしてくるので、カレーくらいのとろみを目指しましょう。
しっかりととろみがついたら火を止め、冷たい牛脂を入れて混ぜながらよく溶かし込んでいきます。バターで乳化させるのと同様のやり方で混ぜ込んでいきましょう。牛脂を加えることで牛の旨味をプラスし「牛の旨味溶け出してる感」を演出します。
塩で味を調え、口当たりをよりなめらかにするために最後に裏ごしします。
これで簡易版デミグラスソースの完成です!!
本物のデミグラスソースに負けないくらい旨味と香りがあり、深みのある味に仕上がっています!やはりなんと言ってもかかる時間が短いのがうれしいですね!
洋食っぽくハンバーグにかけて食べるのが王道で美味しいですよね!(ハンバーグのレシピはこちら)
簡略版とはいえ少し時間はかかりますが、本物のデミグラスよりはかなり簡単なので是非作ってみてください!
今回も最後までお読みくださりありがとうございました!!
フォンドボー
トマトペースト