甲殻類のコンソメ

ポタージュ
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
[ad01]




今回は甲殻類のコンソメの作り方をご紹介したいと思います!

 

コンソメは牛や鶏からつくる動物系のものが多い印象がありますが、甲殻類の殻を使ったものもあります。作り方は動物系のコンソメとはさほど変わりませんが、甲殻類の旨味と香りが溶け出たとっても美味しく上品なスープとなっています。フランス語では甲殻類のことを「クリュスタッセ」と呼ぶので、甲殻類のコンソメをフランス語にすると「コンソメ・ド・クリュスタッセ」となります(なんかカッコいい)。

またコンソメを作る過程では「クラリフィエ」というアクや雑味を取り除く工程が欠かせないので結構手間はかかりますが、この工程があるからこそ、綺麗に澄んだ美しいスープが完成します。

 

鶏のコンソメの作り方は以前解説したのでもし興味があれば⬇︎

ブイヨンから作る本格コンソメスープ
かなり手間はかかりますが、自分でイチから作った澄み切ったコンソメは、市販のキューブには負けません!!

 

 

それでは作り方を見ていきましょう!

 

 

材料

 

甲殻類のブイヨン

  • 海老の殻 ・・・6〜10尾分
  • 渡蟹 ・・・3〜5杯
  • にんじん ・・・1/2本
  • セロリ ・・・1/2本
  • 玉ねぎ ・・・1/2個
  • オリーブオイル ・・・適量
  • 白ワイン ・・・30ml
  • ブランデー ・・・10ml
  • ローリエ ・・・1枚
  • 白胡椒 ・・・10粒ほど
  • 水 ・・・1.5ℓ(目安)
  • パセリの枝 ・・・2本(あれば)

 

クラリフィエ用

  • セロリ ・・・1/2本
  • にんじん ・・・1/2本
  • 玉ねぎ ・・・1/2個
  • 卵白 ・・・2個分

 

 

使う甲殻類は今回は海老と蟹の両方使っていますが、どちらかだけでも構いません。オマール海老なんか使うととっても美味しいので、もしお金かけてもいいならオマール海老で作るのもいいと思います。

オマール海老の頭だけ(身は無し)だと比較的リーズナブルに売っているので、こちらを使ってみるのもいいかもしれません⬇︎

 

作り方

 

甲殻類のブイヨン

まずエビの殻の下処理をします。殻は頭から尻尾まで全て使いますが、濁りの原因になってしまうのでミソ(脳みそ)は取り除きます。

水でぬめりが取れるまで丁寧に洗い、何度も水を取り替えながら水が濁らなくなるまでよーく洗いましょう。汚れが残っていると臭みが出てしまうので注意です。

 

今回はエビだけでなく渡蟹も使って味と香りに複雑さを出します。渡蟹も同様にぬめりをとるように丁寧に洗いましょう。渡蟹は身がついたままで使います。

 

洗ったエビの殻と渡蟹は水気をよーく拭き取って天板に並べ、100℃のオーブンで40分ほど加熱します。焼くというより乾燥させるイメージで旨味を凝縮させつつ、濁りや雑味の原因となる余分な水分を飛ばします。

 

水分が完全に飛んでカラッカラになっていますね。もしオーブンから出してまだ乾燥し切っていないようなら、しっかりとカラッカラになるまで再度乾燥させましょう。

 

次に香味野菜を準備します。出汁が出やすいように繊維を断ち切るようにカットします。ニンジンは皮からも出汁が出るので皮を剥かずにカットしましょう。

 

鍋にオリーブオイルを少し多めに入れて、乾燥させた海老の殻と渡蟹を加えて炒めます。油が全体に回るように炒めて香りを引き出します。旨味が出やすいように木べらでガッシガシに殻を砕きながら炒めていきましょう。

 

香りが立ってきたら白ワインを加えてしっかりと水分がなくなるまで煮詰めてワインくささを飛ばしましょう。白ワインが煮詰まったらブランデーを加えて軽くアルコールを飛ばします。ブランデーはなければ無いで構いませんが、甲殻類とブランデーの相性はテッパンです。

 

そこに香味野菜を加えて炒め、しんなりしてきたら食材が被るくらいまで水を注ぎます。

 

水を注いだら沸騰するまで強火にかけていきます。徐々にアクが出てくるので丁寧に取り除きます。

 

アクが大体取り除けたら弱火にし、ローリエ、パセリの枝、白胡椒を加えます。これから2時間ほど煮出していきますが、ボコボコと激しく沸騰していると雑味が出て濁った仕上がりになってしまうので、ポコっポコっと軽く水面が波打つ程度の温度をキープしながら煮出すようにしましょう。

 

〜〜〜〜2時間後〜〜〜〜

2時間ほど煮出したらザルで濾します。ぎゅーっと水分を絞るように野菜や甲殻類を押して旨味を逃さず抽出しましょう。

濾した後の野菜や甲殻類は完全に旨味が抜けているので、勿体無いと思われるかもしれませんが捨ててしまいます。渡蟹はもともと食べられる身がかなり少ないので、渡蟹も捨ててしまいます。

 

ザルで濾したあとの液体は殻の破片などが混ざっているので、ペーパーでもう一度濾して取り除きます。

 

これでコンソメの元となる甲殻類のブイヨンが出来あがりました。黄金色に透き通っていて綺麗な仕上がりです。

 

 

クラリフィエ

 

これからクラリフィエという、香味野菜や卵白を使ってアクや濁りを取り除き、スープを澄ませる工程をとっていきます。

 

先程取ったブイヨンは鍋で人肌くらいまで温めます。あまり熱くしすぎると卵白が一気に固まってしまい、うまくアクを吸着してくれなくなるのでぬるめに保っておきましょう。

 

にんじん、セロリ、玉ねぎは少し小さめにみじん切りにします。

 

卵白は少しだけ泡立てて混ざりやすいようにしておきます。

 

火をつけていない冷たい鍋にみじん切りにした香味野菜、トマトジュース、卵白を加えてよく混ぜておきます。

 

そこに甲殻類のブイヨンを少しずつ加えていき、その都度混ぜていきます。ルウに牛乳を加えてベシャメル作る時みたいな感じです。

 

ブイヨンが全て加わったら弱火にかけます。火にかけたら絶えず混ぜ続けて、卵白が香味野菜に纏わり付いた状態でゆっくりと火が通るようにしてあげます。卵白は底に沈みやすいので、沈まないように底から混ぜるようにしましょう。

 

だんだん温まってくると香味野菜が浮いてくるので、浮いてきたら混ぜるのをやめます。完全に香味野菜と卵白が浮かんで水面に蓋をするような形になってきます。

 

 

香味野菜と卵白が浮かんで固まったらドーナツ状になるように真ん中に穴を開けます。この時も激しく沸騰させずに、ゆっくりと対流が起きるくらいの温度をキープしながら1時間ほど煮ていきます。

対流が起きることによって、卵白や香味野菜がアクを吸着して澄んだ透明なコンソメに仕上げることができます。

 

1時間ほど煮たらペーパーを敷いたザルで濾します。この時に豪快に混ぜてしまうと吸着させたアクがコンソメに戻って濁ってしまうので、そおーっとゆっくりと丁寧に濾すようにしましょう。この時の香味野菜も味が抜けてますしアクがついているので、食べずに捨ててしまいます(もったいないかも知れませんが)。

 

濾したコンソメはこんな感じです!ボウルの底がハッキリと見えるくらい澄んだ琥珀色で美しい…

最後にコンソメを鍋に移して弱火で優しく温めながら塩で味を調えて完成です!

 

余計なものが入っていない、シンプルながら甲殻類の香りを存分に楽しむことができるコンソメです!海老とか蟹とか好きな人は絶対好きな味です!笑

 

魚やエビのすり身をポシェ(茹で)した「クネル」というものと合わせてもまた美味しいですよ!(クネルのレシピはこちら

 

かなり手間はかかりますが、その分とっても美味しいのでオススメです!!またコンソメ系は様々な技術を駆使して作るため、料理の上達にかなり役立つと思いますので是非挑戦してみてください!!

 

 

今回も最後までお読みくださりありがとうございました!!

ブランデー

ローリエ



sponcered link