みなさんせっかく美味しいピザを食べに行くなら、より本格的なものを食べたいですよね?最近はグルメサイトが普及しているのでお店選びが簡単なように思えますが、情報が多すぎて実はどの店を選んでいいかよくわからない!って方もたくさんいると思います。
なので今回は美味しいナポリピッツァのお店を見つける助けになるようなポイントを紹介していきたいと思います。
ちなみに筆者は仕事でナポリ(風)ピッツァを作っていたことはありますが、下記で紹介する「真のナポリピッツァ協会」やその認定店とは関係がないので、決して宣伝等ではございませんので悪しからず。
また、以前ナポリピッツァ風のピザ生地の作り方やマルゲリータ、マリナーラの作り方を紹介しましたので、もしご興味があればそちらも見てみてください⬇︎
真のナポリピッツァ協会とは?
そもそもナポリピッツァとは
世界中にはたくさんの種類のピザが存在していますね。ピザの本場イタリア以外でもアメリカンピザやフランス風の「ピサラディエール」というものもありますし、イタリアの中でも生地が薄くカリカリとした食感のローマピザや、シチリアの生地がパンのような「スフィンチョーネ」など、数多くのピザが存在します。
その中でも世界中でもっともポピュラーなのがナポリピッツァではないかと思います。ナポリピッツァは簡単に言うと、丸い形をしていて生地の縁(ふち)にいわゆる「みみ」があり、オーブンではなく高温の石窯で一気に焼き上げてつくるピザです。
ナポリピッツァは古い歴史と伝統があるため、その伝統の味を絶やさぬように受け継いでいくためにと、作り方にある条件を定めています。その条件を定めているのがこれからお話しする「真のナポリピッツァ協会」なのです。
真のナポリピッツァ協会とは?
真のナポリピッツァ協会はイタリア政府公認の非営利団体で、ナポリピッツァを作るうえでの条件を定めたり、ナポリピッツァを提供するお店に対してお墨付きを認定したりします。
その条件は以下のようになっています。
- 生地に使う素材は小麦粉、塩、水、酵母の4つのみ
- 生地は道具を使わず手で伸ばすこと
- 窯の床面に直に乗せて焼くこと
- 窯は薪、または木くずを燃料とすること
- コルニチョーネ(みみ、ふち)があること
- 具材にこだわること
これらの条件を満たした上で真のナポリピッツァ協会による審査に合格しなければ、真のナポリピッツァとは認定してもらえないのです。けっこう厳しいですね。
でもこれらの厳しい条件があるからこそ、伝統あるナポリピッツァの味が変わることなく保たれるのでしょう。なのでこれだけこだわって作られ、公式な組織に認定されたお店にハズレなんてないと思っていいと思います。認定店に美味しくないお店があったら、協会の信用もなくなってしまいますしね。
もちろん協会認定ではないお店でも美味しいお店はたくさんあるので、ひとつの目安と思ってください。
どのお店が加盟店なの?
真のナポリピッツァ協会は世界中に認定店があり、もちろん日本にも認定店はたくさんあります。ナポリピッツァ協会に認められた証として、認定証のような形で以下のようなマークが掲示されています。もし食べに行ったお店でこのマークがあれば、そのお店は真のナポリピッツァ協会認定のお店ということになります。
引用:https://japan.pizzanapoletana.org
そうじゃなくて、食べに行く前にどのお店が認定店なのか知りたいんだ!って方は、真のナポリピッツァ協会の公式HPに認定店の一覧があるので、そちらでお確かめください⬇︎⬇︎
https://japan.pizzanapoletana.org/pizzerie.php(真のナポリピッツァ協会公式ホームページ)
メニューを見てみる
お店のメニューからもどんなこだわりがあるお店なのか、少し読み解くことができます。最近ではグルメサイトや各店のHPなどからもお店のメニューを見ることができるので、確かめやすいのではと思います。
では具体的にメニューのどこを見ればいいのかを見ていきましょう。
D.O.Cやエクストラ
ピザ専門店(ピッツェリア)のメニューには「D.O.C」や「エクストラ」という文字が度々出てきます。こんな感じに
メニュー(例)
- マルゲリータ ¥○○○
- マルゲリータ D.O.C. ¥○○○
- マルゲリータ エクストラ ¥○○○
マルゲリータの後にD.O.C.やエクストラの文字がついています(D.O.C、エクストラがあるのは大抵マルゲリータだけです)。D.O.C.(ドック)もエクストラも普通のマルゲリータよりも具材にこだわったもので、味の濃厚な水牛のモッツァレラチーズが使われたりしています。
D.O.Cは一応真のナポリピッツァ協会が出したレシピとしては、「少量のトマトソース、水牛のモッツァレラ、バジル、チェリートマト、バジル、食塩、EXVオリーブオイル」と材料が決まっていました。
ですがヨーロッパ全体の規格とかいろいろとあって(今回は省略します)、近年ではトマトソースを使わないもの(ビアンコ)が出てきたり、エクストラの方もトマトソースがあったりなかったり、チェリートマトがあったりなかったりと、結構お店や語る人によって具材にバラつきがあり、それぞれの違いが少し曖昧になってきています。
なので具体的な違いはお店の人に聞いたほうが確実ですね(エクストラがなくD.O.Cしかないお店も、その逆の場合もあります)。共通して言えることはD.O.Cやエクストラは普通のマルゲリータよりも具材、特にモッツァレラチーズがグレードアップしているということです。
なので、マルゲリータD.O.Cやマルゲリータエクストラがあるお店はきっとマルゲリータ以外のピザにもこだわりのあるお店だと思われるので、おいしいお店の可能性が高いと思います。
「マルゲリータでその店のレベルがわかる」は本当?
食通の人がよく言う「マルゲリータを食べればそこがいい店かどうかがわかる」、「マルゲリータが美味しいお店は他のピザもおいしい」は本当なのでしょうか?
ここからは私の見解になりますが、結論から言うと「間違いではない!」と思います。
ナポリピッツァの世界では「伝統的なナポリピッツァはマルゲリータとマリナーラだけだ!」といわれるほど、歴史あるマルゲリータとマリナーラは重要視されています。マリナーラとはトマトソースやオレガノなどを乗せた、チーズを使わないピザのことです。シンプルな具材と、本場では定番でありながらも日本では少しマイナーなことから、マリナーラを注文するとちょっと通っぽく見えます(笑)
なので「そもそもナポリピッツァはマルゲリータとマリナーラだけ」という風潮があることから考えれば、マルゲリータを食べればそのお店の良し悪しがわかるというのは一理あると思います。ただ、そこにマリナーラも入れてあげて欲しいな、、、とは思いますが(笑)
引用:https://italianity.jp/lifestyle/food/pizza_jaffa_002
また上記で「間違いではない」と述べた理由として、私の意見としては「どのピザを食べるかではなく、コルニチョーネ(ピザのふち、みみ)でいいピザかどうかわかる」と思います。
一般的にピザのおいしさは具材によると思われがちですが、ナポリピッツァは生地のおいしさもかなり重要です。真のナポリピッツァ協会の規定でも生地に使っていい材料は決まっていますし、コルニチョーネはソースがこぼれるのを防ぐ目的だけではなく、ソースのついていない生地本来の味を味わえるようにしているという説もあります。
さらにコルニチョーネには職人の技術がダイレクトに表れます。発酵の時に生まれた空気が焼いたときに膨らんでできるのがコルニチョーネ(みみ)なので、みみの中にはぎっちりと生地が詰まっているのではないのです。そのためコルニチョーネの断面を見れば大小さまざまな空洞があいているのがわかります。ピザの焼き具合も、コルニチョーネの焦げ目のつき方を見ればわかります。
つまり生地の材料のバランスや発酵の加減、空気を潰さずに生地を伸ばしているか、窯の温度の管理や焼き方など、ピザ職人の技術がコルニチョーネから読み解くことができるのです。
みみはどのピザにもあるので、職人さんの技術を味わうならマルゲリータに限らず他のピザでも楽しむことができますね。
まとめ
今回話した内容をざっとまとめると、、
- 歴史あるナポリピッツァの味と伝統を守る「真のナポリピッツァ協会」というものがある
- その真のナポリピッツァ協会の認定店に(おそらく)ハズレはない
- メニューにマルゲリータのD.O.Cやエクストラがあるお店はこだわりがあるので、マルゲリータ以外のメニューも美味しい可能性が高い
- 「伝統的なナポリピッツァはマルゲリータとマリナーラだけ」と言われているので(諸説あり)「マルゲリータを食べればその店のレベルがわかる」はある意味本当
- コルニチョーネ(ピザのみみ)には職人さんの技術がダイレクトに表れる(筆者の私見)
というようなことを長々と述べさせていただきました。
最後に重要なことを言わせていただきますが、今回挙げたものはあくまでも目安なので、ここで挙げた条件に当てはまらなくても美味しいお店はたくさんありますので、本当に美味しいお店はご自分の目と舌でお確かめください