フォン・ド・ヴォーの取り方

フォン、ジュの取り方
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今回はフォン・ド・ヴォーの取り方をご紹介します!!

 

フォンドヴォーという名前はなんとなく聞いたことある方も少なくないと思います。フォンドヴォーとはフランス料理であらゆる料理やソースのベースとなる、仔牛から取った出汁のことを指します。

出汁とはいっても日本の鰹出汁とは全く違い、長時間かけて煮出すとろみのあるものとなっています。このような出汁のことをフランス語で「フォン(fond)」と呼びます。仔牛(veau、ヴォー)のフォンなので、フォン・ド・ヴォーです。

 

フォンドヴォーは取るのに手間も時間もかかるものなので、今回かなり文章が長くなってしまっていますが、最後まで読んでいただけたら幸いです。

 

材料

 

  • 仔牛の骨 ・・・3kg
  • 牛すじ肉 ・・・1kg
  • 玉ねぎ ・・・1.5個
  • にんじん ・・・1.5本
  • セロリ ・・・2本
  • ニンニク ・・・1株
  • ホールトマト ・・・400g

ブーケガルニ

  • タイム ・・・3〜4本
  • ローリエ ・・・1枚
  • 白胡椒 ・・・10粒くらい
  • パセリの茎 ・・・3本(なくてもOK)
  • セロリの葉 ・・・2本分

 

家庭で作る場合は結構な量出来ますし、その分大きな鍋も必要になるので、もし大きな鍋がなければ上記の分量の半分、もしくは1/3で作った方がいいかもしれません。

 

仔牛の骨

牛すじ肉

牛すじ、仔牛の骨はこちらのミートガイさんからも購入できます。こちらのサイトでは他にもブロック肉やラム肉、少し珍しい食材なども売っているのでオススメです!

⬇︎  ⬇︎  ⬇︎

牛骨の下処理

 

まず仔牛の骨の下処理をします。寸胴鍋に仔牛の骨を入れ、水を浸るくらいまで注ぎます。

最初は血で水が赤く濁るので、ガシャガシャと骨をすすいで水を取り替えます。これを水が濁らなくなるまで繰り返し行いましょう。

 

骨に肉が付いている状態のものは肉の部分に血の塊があるので丁寧に探し、ガシガシと指で血を洗い流しましょう。太い血管が通っているものもあるので、そういう場合はナイフで血管を一部切って、指でこそぐように血を絞り出します。

 

ひとつひとつ丁寧に血抜きすると水も濁らない綺麗な骨になります。この下処理をしないとフォンが血なまぐさくなったり雑味のある仕上がりになってしまうので、しっかりと掃除してクリアなフォンを目指しましょう!

 

焼き

洗った骨は水気をよく拭き取って天板に重ならないように並べて180℃のオーブンで1時間〜1時間半ほど焼いていきます。

 

骨自体には焼き色はあまりつきませんが、周りに付いている肉にこんがりと焼き色がつき、骨からも水分がしっかりと抜けた状態です。骨の中に入っている骨髄は少し焦げやすいので、焦げそうならオーブンの温度を下げるなりして焦がさないように注意しましょう。

焼けた牛骨は大きめの鍋に入れておきます。

 

骨を焼いた後の天板には肉から出た旨味がくっついている(フランス語で「スュック」といいます)ので、ここにお湯を注ぎ、木ベラ等でこそいで溶かし、牛骨と同じ鍋に入れます。

鍋や天板にくっついた旨味に水分を加えて溶かし、旨味を逃さずに使う手法をフランス料理では「デグラッセ」と言います。

 

次に香味野菜をカットします。今回はオーソドックスにセロリとにんじんと玉ねぎを使います。

にんじんはよく洗って皮とヘタをつけたまま、セロリは洗って葉だけ取り除いて使います。全て同じくらいの大きさに、大きめにカットします。ニンニクは房のまま横半分にカットしておきます。

フォン・ド・ヴォーは煮出す時間が長いので香味野菜は大きめのカットでOKです。

 

 

カットした野菜も天板に並べて160℃のオーブンで1時間ほど焼き、野菜から水分が抜けてきて薄っすら焼き色が付いている状態まで焼いていきましょう。

焼けたら牛骨と同じ鍋に移しておきましょう。

 

次に牛のすじ肉も焼いていきます。

飲食店ではブロック肉から取り除いたスジ肉などを使ったりしますが、お肉屋さんで煮込み用として売られている物を使っても大丈夫です。ただ、煮込み用のスジ肉はスジだけでなくお肉もたくさんくっついているので、良いか悪いかは別としてフォンの味に違いは出てきます。

 

スジ肉は180℃のオーブンで40分ほど焼き色がつくまで焼き、しっかりと焼き色がついたらオーブンの温度を140℃に落としてさらに40分ほどじっくり加熱して余分な水分を抜きます。

水分が抜けるとカラッカラな状態になるので、その状態を目指しましょう。

 

しっかり水分が抜けた牛すじは牛骨、野菜と同じ鍋に入れておき、牛すじを焼いた天板もお湯を注いでデグラッセし、同じ鍋に入れておきます。

 

次にブーケガルニを作っておきます。ブーケガルニはハーブやスパイス類を束ねたもので、煮出した後に取り出しやすいようにまとめて紐で結んでおくものです。

今回はタイム、ローリエ、白胡椒(ホール)、パセリの茎を使います。写真には写ってませんがセロリの葉も一緒に使ってます。

パセリの茎はイタリアンパセリやセルフィーユなどの茎を使って頂いても構いませんし、無きゃ無いで使わなくても大丈夫です。

 

リードペーパーの上に先程のハーブ類や白胡椒をおき、春巻きのようにクルッと巻いてタコ糸でぐるぐると縛って結んで完成です。そんなに難しく考えずにハーブがバラけなきゃ大丈夫です。

 

鍋の方に戻ります。

焼いた骨、野菜、牛すじ肉が入った鍋に、材料が被るくらいまで水を注ぎ、強火にかけて一度沸かします。

 

沸いてくると段々とアクが出てくるので、丁寧に取り除きます。ボコボコと沸騰しそうになったら火を弱火にし、水面が静かに揺れているくらいの沸騰加減をキープします。アクとりをして一旦綺麗にアクがなくなったらホールトマトとブーケガルニを加え、ここから10時間ほど煮出していきます。

この煮出す時間は作る人によって結構違いがあり、8〜12時間ほど煮出す人が多いですが、24時間かけて煮出す人なんかもいます。そこは考え方や目指す味の違いによってなので、特に正解とかはありません。

 

フォンを煮ていくと段々と水分が蒸発して水位が低くなってきます。すると鍋肌にフォンの成分がこびりついて線ができてくるので、これが焦げないように濡れたハケなどで丁寧に洗い落としましょう。

またフォンが煮詰まってきたら適宜水を足して、最初と同じ水位をキープするようにします。煮詰まりすぎると食材から出汁が溶け出にくくなってしまいます。

 

6〜7時間ほど煮出していくと、仔牛の骨にくっついていた軟骨が煮溶けて剥がれてきます。フォンに軟骨のゼラチン質がしっかり溶け出ている証拠です。

 

↑約10時間ほど煮出しました。しっかりと血抜きや下処理をしたので濁りのないフォンが取れてます。

 

長時間煮出した後の牛骨は、最初にくっついていたお肉や軟骨等が全て剥がれ落ちて綺麗な状態になっています。

 

煮出し終わったフォンはザルで濾して骨や野菜を取り除き、さらに目の細かいザル(シノワなど)で細かい肉片や野菜片を取り除きます。

この取り除いた骨や野菜は二番フォン(後述)を取る場合は捨てずにまだ取っておきましょう。

 

濾したフォンは表面に浮いた油を取り除きながら弱火で煮詰めていきます。

 

煮詰め具合は一概には言えませんが、2/3くらいの量になるまで煮詰めるといいと思います。

これでフォン・ド・ヴォーは一旦完成です!お疲れ様です!が、まだ続きます笑

 

この完成したフォンドヴォーを1/5くらいになるまでさらに煮詰めると「グラス・ド・ヴィアンド」というものになります。

グラスドヴィアンドの煮詰め加減も、1/2まで煮詰める人や1/10まで煮詰めるという人もいるので、そこら辺は人によるって感じでしょう。

このグラスドヴィアンドは煮詰めた分旨味は凝縮してますが、火にかける時間が長いため香りが飛びやすいという側面もあります。そこら辺もどんな料理を作りたいかによるので、フォンドヴォーがいいかグラスドヴィアンドまで煮詰めた方がいいかは一概には言えません。

 

二番フォン

次に先程使った出汁ガラで二番フォンを取っていきます。この出汁ガラからはまだ出汁が取れるので、再度ここに水を注いで煮出していきます。

お茶っ葉でいう二番茶と同じですね。

 

出汁ガラに水を被るくらいまで注ぎ、沸くまでは強火で、沸いてきたら弱火に落とし先程と同じ要領で煮出していきます。

出汁の大部分は最初に煮出したフォンドヴォー(一番フォン)に出てしまっているので、二番フォンは2時間半くらいと短めで煮出します。

 

2時間半ほど煮出したら一番フォンと同様にザルで濾して再度煮詰めていきます。

 

↑煮詰めた二番フォン。一番よりも色は薄くゼラチン質も弱いです。

二番フォンは一番よりも軽いので、野菜を煮る煮汁に使ったり、スープを作ったりといった用途に使用しますが、使い分けるのが面倒という方は一番と二番を混ぜて再度よく煮詰めてしまえば一番フォンに旨みを補うこともできます。

 

①→ 一番フォン

②→ 二番フォン

③→ 一番+二番フォン

④→ グラスドヴィアンド

です!二番は見た目通り色が薄く、グラスドヴィアンドは色が一番濃いですね。

 

フォンドヴォーは軟骨や仔牛のスジ、野菜などからゼラチンが溶け出ているため、冷やすとゼリー状に固まります。

 

このように固まったフォンドヴォー(グラスドヴィアンドも)をサイコロ状にカットしておくと使いやすく便利です。

そんなに使う頻度が高くない場合は冷凍保存もできます!

 

 

フォンドヴォーの使い方

 

フォン・ド・ヴォーの使い方として、一番主要なものはソースのベースです。フランス料理といえばソースですが、このフォンドヴォーはそのソースの要になる食材です。

有名なもので言うと赤ワインソースなんかに使われますし、牛肉の赤ワイン煮込み等にも使われることもあります。

 

このフォンドヴォーを使ったレシピはこちらにリンクを貼っておきますので、そちらも是非ご覧ください。⬇︎

本格フレンチの赤ワインソースの作り方
特別な日のディナーにぴったりな見た目も華やかな赤ワインソースの作り方。牛肉によく合うソースです!
ビガラードソース  オレンジとガストリックのソース
鴨肉によく合わせられるビガラードソース。その基本的な作り方を写真を交えてわかりやすくご紹介。
本格牛スネ肉の赤ワイン煮込み
牛スネ肉をホロっと柔らかくなるまで煮込んで、酸味と旨味の溶け出したソースとともにいただきます!
粒マスタードソース
粒マスタードの香りと酸味の効いた、美味しいソースです! 豚、牛、鶏とオールマイティにお肉に合います!

 

 

今回も最後までお読みくださりありがとうございます!!かなり長文になってしまいましたが、なにかのお役に立てたら幸いです!

 

仔牛の骨

牛すじ肉

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